シルクについてのQ&A

A.

4大天然繊維(絹、麻、木綿、羊毛)の一つで、蚕の繭から取り出した天然繊維。その構造は2種のタンパク質から構成され、一つは繊維部分であるフィブロイン、もう一つはそのフィブロインの周りを取り囲むセリシンです。しかし、繭から紡いだばかりの生糸は表面に付着しているセリシンによってシルクの布のような独特な光沢はなく、手触りもゴワゴワしています。それを絹織物にする際に精練という工程において余分なセリシンを落として絹独特の光沢や手触りを出すのです。ですから、皆さんが知っているシルクとは実はフィブロインのことなんです。

A.

シルクの光沢の秘密は絹糸の構造にあります。生糸の繊維部分は三角の形をしており、この形がプリズムのように入ってきた光を反射、拡散することによりあの独特な光沢がでるのです。

A.

生糸の原料である繭を作るのにはまず、蚕を育てる訳ですが、育てる時期により蚕はその呼び名が異なり、5月~6月に飼育するものを春蚕、7月~8月を夏蚕、8月~9月を初秋蚕、9月~10月を晩秋蚕と呼びます。時期により繭の大きさが異なり、餌である桑が良く育つ春が一番大きく、良質の糸がとれます。ですから餌である桑の品質は非常に重要で、安全な土壌で作られた健康な桑が必要となります。桑を食べ成長した蚕は成虫になるために繭を作ります。この繭は平均で2g程の重さがありますが、生糸にする際には中のサナギや余分な緒糸部分等を取り除くことにより、最終的な生糸にすると約0.45g程になってしまいます。(繭玉一個から3デニール(約30μm)の太さの生糸が約1,500m程得られます。)つまり生糸1kgを作るには約5倍の5kg繭が必要となるため、シルクが非常に高価なのはこうした理由もあるからなのです。こうして繰糸された生糸が様々なシルク製品となるのです。

A.

わが国の起源は、定説がありませんが、日本書紀には、「保食神(うけもちのかみ)のみまかれる際、眉の上に蚕を生じ、・・・・・、天照大神は、その繭(蚕)を口に含んで絲をひくことをえた。これより初めて養蚕あり」という記述があります。また、中国の史書「魏志倭人伝」には、紀元3世紀に邪馬台国から魏に倭錦が贈られている記述があり、この頃すでに繭から糸を作る技術があったと推察されます。

A.

日本の蚕業、絹業が盛んになったのは明治の初頭であり、輸出品として国内で盛んに生産されたのがシルクでした。当時の日本製のシルクは質も良く、諸外国へ高い値段で取引され、日本の輸出品のトップを誇っておりました。これを機にさらに生産性を高める為、海外からの技術を導入して建てられたのがあの歴史の教科書でも有名な当時世界最大級の官営製糸場である、富岡製糸場なのです。しかし、近代になると和装が廃れると共に様々な合成繊維の開発によって、シルクの需要が激減しました。また、日本で培われてきた養蚕技術も海外に流出し、中国やインド、ブラジルといった国々でもシルクが大量に生産されるようになったことから、現在では日本国内の養蚕業は衰退の一途を辿っています。

A.

いいえ、厳密に言うと違います。
現在国内の養蚕業は衰退しつつあり、現在では国内に流通しているシルクのなんと99%以上が外国産のシルクなのです。しかし、外国産の繭や生糸を使っても、国内で製作されたものは日本製や国産と表記することができてしまうのです。貴方がお持ちの絹製品も実は外国産ということも…現在こうした問題を解決し、純国産の製品と原料の安全性・信頼性の確保、品質管理の向上を目的として、原料の生産、加工そして製品への加工から販売までの過程を明確に記録し、商品からさかのぼって確認できるようにするトレーサビリティ制度が導入されています。

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